ハゲが最強である

あえて断言しよう。ハゲが最強であると。

髪の毛はどこへ消えた?

俺はハゲているらしい。
「らしい」という言葉を選んだのは、自覚があまり無いからだ。

なぜ自覚がないのか。

それは、自分では自分のハゲ頭が見えないからだ。

あなたから見て、俺はどう見てもハゲだろう。

ただ、俺の目には俺の頭は映らない。
だから、ハゲている「らしい」なのだ。

そんな俺は、
たまに自分がハゲていることを忘れてしまう。

フサフサの友達とお酒を飲んでいると、
なんか自分もフサフサなのではないかという錯覚を起こしてしまうのだ。

しかし、そんな俺も、
年に4回ほど、ハゲという現実に気づく瞬間がある。

それは、美容室に行った時だ。

「適当に短くしてください」と、
どんなに頑張ってカットしても、どうにもならない頭を切ってもらうことに、
若干の申し訳なさを感じながらお願いして、カットしてもらった後。

すっと、鏡を取り出して、頭の全体像を見せてくれるんだ。

そう、後ろの方も。

そして、俺は気づかされる。

なんか、俺、めっちゃハゲとるやん!!

あまりにも残念な現実を直視できないのだが、
どうも後頭部の髪の毛がほぼ絶滅なさっているように見える。

そして、そっと目を閉じて、「あ、大丈夫です。」と告げる。

自分としても、あまり見たくはない現実だが、
多分、美容師さんの方が心苦しいのではないかと思って、
いつもダブルで心が傷んでしまう。

あの時ばかりは未だに慣れない。

僕は30歳。

髪の毛はどこへ消えた?